頭が重苦しくなってくる。」
 太い眉の下に眼を見据えて、歯を少し喰い違いにかみしめて、黙り込んでしまった彼の様子を見てると、私も変に頭が重苦しくなってくるのを感じた。それからなおぽつりぽつりといろんなことを話し、次に二人で一寸した食事をしに出かけ、酒を飲みながらも話したが、結局取り留めもないことばかりで、畏友としての吉岡に対するどうにも出来ない感情に浸って、口を噤む外はなかった。そしてその間に私は、八百円が雑作なく出来たというような嘘を、河野の口から吉岡へ云わせることは、実際に出来もしなければ、よし出来たとて不結果に終るのみである、ということをはっきり感じた。
「どうしたらいいんだろう、僕は。」
 街路の片端に立止って、河野は私の心に向ってじかに呼びかけてきた。
「兎に角、もう一日二日待っていてくれ給え。何とか僕が取計ってみるから。」
「君はこれから吉岡君の所へ行くのか。」
「うむ、敏子さんに約束したこともあるので。」
 河野はじっと私の顔を見ていたが、何か云い出そうとするのを思い返したらしく、ぐるりと向きを変えて歩み去った。
 私は一人で前晩のようにまた街路をさ迷い歩きながら、凡ての
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