いてみたいんだけれど、どう云って聞いたらいいかしら……。」
「およしなさいよ。ひょっとすると、あたしたちが姉弟かも知れないんだもの。」
「うん、そうかも知れない。」
そして私たちは眼を見合って、ずるそうに微笑みあうのでした。もし私たちが姉弟だったら、そんなこと、祖母に聞いては猶更悪いような気がしました。
私の父とみよ子の父とが一緒に町へ出かけますと、私たちは同じようにおみやげを買ってきて貰いました。硝子玉やメンコやお手玉やコマや絵本など。それをみよ子は私の家に持って来、私のと一緒にして箱にしまっておき、二人で共同に使いました。遊びには男と女との区別がありませんでした。一緒にお手玉をしたりコマを廻したりしました。祖母は私たちにお手玉の面白い歌を教えてくれました。御殿で歌われたのだそうでした。御殿というのは、旧藩主の小さな分家で、祖母は若い時、奥女中としてそこにあがっていたことがありましたのです。
御殿の話を祖母はめったにしてくれませんでしたが、時には面白いことをきかしてくれました。狸のいたずらが何度も話の中に出て来ました。
狸は人をばかす代りに、人からもだまされるそうでした。人の
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