ジャン・クリストフ
ロマン・ローラン
豊島与志雄訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)作者《さくしゃ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)千八百六十六|年《ねん》
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(例)※[#ローマ数字1、1−13−21]
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前がき
『ジャン・クリストフ』の作者《さくしゃ》ロマン・ローランは、西暦《せいれき》千八百六十六|年《ねん》フランスに生《う》まれて、現在《げんざい》ではスウィスの山間《さんかん》に住《す》んでいます。純粋《じゅんすい》のフランス人《じん》の血《ち》すじをうけた人《ひと》で、するどい知力《ちりょく》をもっています。世界中《せかいじゅう》の人々《ひとびと》がみなお互《たがい》に愛《あい》しあい、そして力強《ちからづよ》く生《い》きてゆくこと、それが彼《かれ》の理想《りそう》であり、そして彼《かれ》はいつも平和《へいわ》と自由《じゆう》と民衆《みんしゅう》との味方《みかた》であります。
これまでの彼《かれ》の仕事《しごと》は、いろいろな方面《ほうめん》にわたっています。第《だい》一に、五つの小説《しょうせつ》があり、そのなかで『ジャン・クリストフ』は、いちばん長《なが》いもので、そしていちばん有名《ゆうめい》です。ここに掲《かか》げたのはその中《うち》の一|節《せつ》です。第《だい》二に、十あまりの戯曲《ぎきょく》があり、そのなかで、フランス革命《かくめい》についてのものと信仰《しんこう》についてのものとが、重《おも》なものです。第《だい》三に、十ばかりの偉人《いじん》の伝記《でんき》があり、そのなかで、ベートーヴェンとミケランゼロとトルストイとの三つの伝記《でんき》は、もっとも有名《ゆうめい》です。第《だい》四に、音楽《おんがく》や文学《ぶんがく》や社会問題《しゃかいもんだい》やそのほかにいろいろなものについて多《おお》くの評論《ひょうろん》があります。
彼《かれ》はいま、スウィスの田舎《いなか》に静《しず》かな生活《せいかつ》をしながら、仕事《しごと》をしつづけています。そして人間《にんげん》はどういう風《ふう》に生《い》きてゆくべきかというこ
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