手紙が来た。ジョルジュはそれに自分の名を書き添えるだけで満足していた。オーロラはクリストフの様子をあまり尋ねもせず、自分たちの消息をあまり伝えもしなかった。その代わりに、用件を一つ頼んできた。コレットの家に置き忘れてる首巻を送ってくれと言っていた。それは大したことではなかった――(オーロラは、クリストフに手紙を書いてるさい、どういうことを書き送ろうかと考えたときにふとそれを思い浮かべたにすぎなかった。)――けれどもクリストフは、何かの用をしてやるのがうれしくて、その品物を捜しに出かけていった。驟雨《しゅうう》模様の天気だった。ひどい冬の天候にちょっともどっていた。雪が解けて冷たい風が吹いていた。馬車が見当たらなかった。クリストフは発車場で待った。雇員らの不愛想さや故意にぐずついてる態度などに、彼はいらだってきたが、それで事がはかどるわけではなかった。そういう発作的な疳癪《かんしゃく》は半ば病態のせいで、穏やかな精神はそれに与《くみ》していなかった。がその疳癪のために、彼の身体はひどく揺り動かされた。あたかも倒れんとする樫《かし》の木が斧《おの》の下に最後のおののきをするようなものだった
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