。彼は凍えきってもどってきた。通りがかりに門番の女が、雑誌の切り抜きを彼に渡した。彼はそれをちょっとのぞいてみた。意地悪い記事で、彼にたいする攻撃だった。今では彼はめったに攻撃を受けていなかった。打撃に気を止めない者を攻撃しても面白いものではない。もっともいきりたってる人々さえ、彼をきらいながらも、心に添わない一種の尊敬をいだかせられるようになっていた。
ビスマルクは遺憾げに白状している。「恋愛ほど意のままにならぬものはないと思われているが[#「恋愛ほど意のままにならぬものはないと思われているが」に傍点]、尊敬はなおはるかに意のままにならぬものだ[#「尊敬はなおはるかに意のままにならぬものだ」に傍点]……。」
しかしこの記事の筆者は、ビスマルクよりもいっそう頑強《がんきょう》で、尊敬や恋愛にとらわれない強い人物の一人だった。彼はクリストフのことを迫害的な言葉で述べて、半月後の次号で攻撃の続きを発表すると言っていた。クリストフは笑い出して、床につきながら言った。
「此奴《こいつ》は当てがはずれるだろう。そのとき俺がもう自分の住家にはいないことを知るだろう。」
彼は看護婦を雇って看病
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