なっていた。クリストフはもうエマニュエルの七階に上るのに骨が折れた。ようやく上りきると、息をつくためにしばらくの時間を要した。また二人はいずれ劣らぬ不養生家であることを、たがいに知っていた。気管支が悪かったりときどき息苦しさに襲われたりするにもかかわらず、ひどい喫煙家だった。クリストフが自分の家でよりもエマニュエルの家で会うのを好んだについては、そのことも理由の一つだった。というのはオーロラが彼の喫煙癖をひどくたしなめるからだった。そして彼は彼女を憚《はばか》っていた。彼とエマニュエルとは、話の最中にひどく咳《せ》き込むことがあった。すると彼らは余儀なく話をやめて、悪戯《いたずら》をした児童のように笑いながら顔を見合わした。時とすると一方が、咳き込んでる相手に意見をすることもあった。しかし相手は息がつけるようになると、少しも煙草《たばこ》のせいではないことを頑《がん》として言い逆らった。
エマニュエルの机の上には、紙片の散らかってる間の空いてる場所に、灰色の猫《ねこ》が一匹寝そべっていた。そして二人の喫煙家を、小言でもいうように真面目《まじめ》くさってながめていた。この猫は二人の生き
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