友情はパリーの社交界で語り伝えられていた。エマニュエルはクリストフにたいする熱情にとらわれていた。彼は高慢心からそれをクリストフに示したがらなかった。粗暴な態度の下にそれを隠していた。時とするとクリストフを冷遇することさえあった。しかしクリストフはそれに瞞《だま》されはしなかった。その心が今ではいかに自分にささげつくされてるかを知っていたし、またその価値をもよく知っていた。彼らは一週に二、三度はかならず会った。身体が悪くて外出できないときには手紙を書いた。遠隔な地から書き合うような手紙だった。彼らは外面的事件によりもむしろ、学問や芸術における精神の進歩に多く興味をもった。彼らは自分の思想のうちに生きながら、自分の芸術について瞑想《めいそう》したり、あるいは渾沌《こんとん》たる事相の下に、人間の精神の歴史中に跡を印すべき、人の気づかぬ小さな光を見分けたりした。
クリストフのほうがいっそう多くエマニュエルの家にやって来た。先ごろの病気以来クリストフは、エマニュエルよりも丈夫とは言えなくなっていたけれど、二人はいつとはなしに、エマニュエルの健康のほうにいっそう気を配るのが至当だと思うように
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