た良心だとクリストフは言っていた。その生きた良心を窒息させるためによく帽子をかぶせた。それはごくありふれた種類の虚弱な猫で、往来で打ち殺されかかったのをエマニュエルが拾ってきたのだった。いじめられて弱った身体がいつまでも回復せず、ろくに物も食べず、ふざけることもあまりなく、物音一つたてなかった。ごくおとなしくて、怜悧《れいり》な眼で主人の様子を窺《うかが》い、主人がそこにいないと寂しがり、主人のそばに机の上に寝るので満足し、いつもぼんやり考え込んでいて、時には幾時間もうっとりと、手の届かない小鳥が飛び回ってる籠《かご》を見守り、ちょっと注意のしるしを見せられても丁重に喉《のど》を鳴らし、エマニュエルの気紛れな愛撫《あいぶ》やクリストフのやや乱暴な愛撫に、気長く身を任せて、引っかいたり噛《か》みついたりしないようにいつも用心していた。ごく弱々しくて、片方の眼から涙を流し、小さな咳をしていた。もし口をきくことができるとしたら、二人の友人たちのように、「少しも煙草《たばこ》のせいではない、」と厚顔にも言い張ることはしなかったろう。しかし二人のすることはなんでも受け入れていた。ちょうどこう考え
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