に求めたばかりだった。
 二人は彼と議論するの労をもとらなかった。二人はこう思ってるようなふうだった。
「この人にわかるものか……。」
 彼らにとっては彼はすでに過去のものだった。そして彼らは過去を大して重要視してはいなかった。あとになってクリストフが「もういなくなった」ときにはどうしようかと、そんなことをなんの気もなしに内緒で話し合うことさえあった。――それでも彼らは彼を深く愛していた……。人の周囲に葛《かずら》のように伸び出してるひどい子供たち! 人を押しやり追い払ってるその自然の力!……
 ――立ち去れ、立ち去ってしまえ! そこを退《ど》け! 俺《おれ》の番だ!……
 クリストフは彼らの無言の言葉を聞きとって、こう言ってやりたかった。
 ――そんなに急ぐものではない! 私はここでいい気持だ。まだ私を生きてる者としてながめてくれたまえ。
 彼は二人の無邪気な横柄さを興深く思った。
「すぐに言ってごらん、」と彼はある日二人の軽蔑《けいべつ》的な様子にまいらされながら温良そうに言った、「すぐに私に言ってごらん、老いぼれた馬鹿者だと。」
「いいえ、そんなこと。」とオーロラは心から笑いなが
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