》に信者となったのである。
クリストフはそういう魂の進化を珍しそうに観察した。エマニュエルは、この旧敵の復帰によって自分の自由理想主義をいらだたせられて、その敵を打ち倒そうとしたがっていたが、クリストフは少しもそんなことをしなかった。吹き起こってる風と戦うものではない。吹き過ぎるのを待つだけのことである。人の理性は疲れていた。それは多大な努力をしてきたのだった。眠気に打ち負けていた。長い一日の仕事に疲れはてた子供のように、眠る前にまず祈祷《きとう》を唱えていた。夢想の扉《とびら》は開かれていた。諸宗教のあとにつづいて、接神論や神秘説や秘教や魔法などの息吹《いぶ》きが西欧の頭脳を訪れていた。哲学も揺らめいていた。ベルグソンやウィリアム・ジェームズなど思想の神も腰がぐらついていた。科学にまでも理性の疲労の徴候が現われていた。しばしの過渡期である。彼らをして息をつかせるがよい。明日になれば、人の精神はいっそう敏活になり自由になって眼を覚ますだろう。よく働いたときには睡眠が薬である。ほとんど眠る隙《ひま》をもたなかったクリストフは、子供たちが自分に代わって眠りを楽しみ、魂の休息や信念の安全や
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