の熱しきった熔炉《ようろ》の中に、否定する力と肯定する力とを、敵と味方とを、人生のあらゆる金属を、嬉々《きき》として投げ入れなければいけない。そしてすべての帰着は、われわれの内部に作り出さるる立像にある、精神の崇高な果実にある。その果実をますます美《うる》わしからしむるものは、たといわれわれを犠牲となしてそうするものも、みな善《よ》きものと言うべきである。創造する主体が何になるものぞ。ただ創造さるるもののみが現実である……。われわれを害せんとしてる敵よ、諸君の攻撃もわれわれには達しないであろう。われわれは諸君の打撃を超越しているのだ……。諸君は中身のない外皮に噛《か》みついている。しかし予は久しい前にそれから抜け出しているのだ。
彼の音楽上の製作は晴朗な形をとっていた。それはもはや、以前にしばしば寄り集まり破裂し消え失《う》せたあの春の夕立雲ではなかった。それは真夏の白雲であり、雪と黄金との山であり、徐々に飛翔《ひしょう》して空を満たしてる光の大鳥であった……。創造よ。八月の静かな日光に熟してゆく作物よ……。
初めはまず、漠然《ばくぜん》たる力強い無我の境。鈴なりの葡萄《ぶどう》
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