を彼らに理解させようとは願わなかった。自分と同じように考えながら自分の思想を是認してもらうことを、彼は他人に求めなかった。自分の思想については自分で確信をもっていた。他人にたいしては知るべき別な思想を求め、愛すべき別な魂を求めていた。常にますます愛しますます知りたかった。見てそして見ることを学びたかった。ついに彼は、昔自分が攻撃した精神傾向を他人のうちに是認したばかりでなく、それを享楽するまでになった。なぜなら、それは世界の豊饒《ほうじょう》に貢献するところがあるようだったから。ジョルジュが彼と同じように人生を悲劇だとは思っていないにしても、彼はやはりますますジョルジュを愛していた。彼が身を護《まも》ってきた精神的|真摯《しんし》さや勇壮なる自制を、もし人類が一様にまとっていたら、人生はあまりに貧弱になりあまりに色彩に乏しくなるだろう。喜悦、無頓着《むとんじゃく》、あらゆる偶像にたいする不敬な勇気、もっとも神聖なる偶像にたいしてまでも不敬な勇気、それを人生は必要としてるのだった。「世界を活気づけるゴールの[#「世界を活気づけるゴールの」に傍点]辛辣《しんらつ》」こそ祝すべきかなである。
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