を、闘争せる世界の上に光被すべきである。
クリストフはローマに長くとどまらなかった。この都会が彼に与える印象はあまりに強かった。彼はそれにたいして恐れをいだいた。その諧調《かいちょう》をよく役だたせるためには、遠く離れて聴《き》かなければいけなかった。もし長くとどまっていたら、多くの自国民と同じように、その諧調にのみ込まれてしまう恐れがあることを感じた。――またときどき彼はドイツにしばらく滞在した。しかし結局、そしてドイツとフランスの葛藤《かっとう》の切迫してるにもかかわらず、彼をいつもひきつけるのはパリーであった。もちろんパリーには彼の養子とも言うべきジョルジュがいた。しかし彼が心ひかれる理由は愛情ばかりではなかった。他の理知的な理由もそれに劣らず強いものがあった。満ち満ちた精神生活に馴《な》れていて、人類の大家族のあらゆる熱情に雄々しく立ち交わる芸術家にとっては、ふたたびドイツに住み馴れることは困難だった。ドイツにも芸術家がいないではなかった。しかし空気が芸術家にたいしては不足していた。芸術家らは一般国民から孤立していた。国民は彼らにたいして無関心だった。社会上のある実際上の他の
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