のきらめく空間に満ちていて、諸天体の音楽がその揺るがない深い大きな波をそこに広げていた……。

 彼が眼を覚ましたときにも(夜が明けていたが)、その異様な幸福は、聞こえた言葉の深い輝きとともになお残っていた。彼は寝床から出た。黙然たる神聖なる感激が彼を支持してくれた。

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…………………汝よく考えみよ、
ベアトリーチェと汝との間にはこの炎の壁あるを[#「ベアトリーチェと汝との間にはこの炎の壁あるを」に傍点]。
[#ここで字下げ終わり]

 しかるに今やベアトリーチェと彼との間の障壁は越えられた。
 すでに長い以前から、彼の魂の大半は壁の彼方《かなた》に行っていた。人は生きるに従って、創造するに従って、愛しそして愛する人々を失うに従って、ますます死から脱するものである。落ちかかってくる新たな打撃ごとに、鍛え出す新たな作品ごとに、自己から脱出して、自分の創《つく》った作品の中に、今は世に亡い愛する魂の中に、逃げ込んでゆくものである。ついには、ローマはもはやローマの中にはないようになる。自己のよき部分は自己以外のところにあるようになる。クリストフはただ一人のグラチアによ
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