んだ。二、三か月たつと、彼女はまた以前のように真面目《まじめ》な朗らかな調子の手紙を書きだした。自分の気弱い悩みを彼にになわしてしまうのは悪いことだと思ったのだろう。自分のあらゆる感情がいかに強い反響を彼のうちにひき起こすか、そして彼がいかに自分によりかかりたがってるか、それを彼女は知っていた。でも彼女は著しい抑制を無理に守ったのではなかった。彼女が救われたのは一種の訓練によるのだった。彼女は生に疲れてから、ただ二つのものによって生かされていた。それはクリストフにたいする愛と一つの宿命観とだった。その宿命観は喜びのおりにもまた悲しみのおりにも、彼女のイタリー人的性質の根底をなしていた。それは少しも理知的なものではなくて、まったく動物的な本能だった。疲れきった動物が、自分の疲労を感じもせず、道路の石と自分の身体とを打ち忘れ、眼を見すえて、倒れるまで夢中に進んでゆく、あの動物的な本能だった。そういう宿命観が彼女の身体を支持していた。愛は彼女の心を支持していた。そして自分の生命が磨滅《まめつ》してしまった今では、クリストフのうちに生きていた。それでも彼女は今までにないほどの注意を払って、彼に
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