の心の中に、他人が地位を奪いに来ることを許し得なかった。地位を奪われるのは自分がそれを打ち捨てたからだとは考えなかった。地位を回復しようとはつとめもしないで、母の気を害するような拙劣な態度をとった。どちらも短気で熱烈な母と子との間には、激しい言葉がかわされた。分裂はなおひどくなった。アンジェール尼はジャックリーヌを手中に収めてしまった。ジョルジュは遠のいて勝手気ままな振る舞いをした。積極的な奔放な生活を送った。賭《か》け事をやって莫大《ばくだい》な金を失った。一つには面白いので、また一つには母の無鉄砲さに報いるために、自分の無鉄砲な行ないを高々と吹聴《ふいちょう》した。――彼はストゥヴァン・ドレストラード家の人々を知っていた。コレットはこの美少年に注意を向けて、けっして働きやめない自分の魅力を試《ため》さずにはいなかった。彼女はジョルジュの乱行をよく知っていて、それを面白がっていた。しかし軽佻《けいちょう》さの下に隠れてる良識と実際の温情との素質によって、彼女はこの無茶な若者が冒してる危険を見てとった。そして彼をその危険から救うのは自分にはできないことだとよく知っていたので、クリストフ
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