っぱいになり、それを彼女に言うのが翌日まで待てないような晩には、彼女に手紙で書き贈った。
――愛《いと》しき愛しき愛しき愛しきグラチアよ……。
そういう平安が数か月つづいた。二人はそれが永久につづくものだと思っていた。子供は二人のことを忘れてしまってるかのようだった。彼の注意は他にひかれていた。しかしその猶予のあとに、彼はまた二人のほうへもどってきてもう二人から離れなかった。この呪《のろ》うべき子供は母をクリストフから引き離そうと考えていた。彼はまた例の芝居をやり始めた。前もって一定の計画をたてはしなかった。その日その日の意地悪な出来心に従った。そして自分がどんな害悪を行なってるかは少しも知らなかった。他人を困らせながら自分の退屈晴らしをしようとしていた。母がパリーから立ち去ることを、母といっしょに遠くへ旅することを、たえずせがんだ。グラチアは彼に逆らうだけの力がなかった。その上医者たちからはエジプトに行けと勧められていた。北方の気候でこの冬を送ることは避けなければいけなかった。あまりいろんな打撃を受けすぎていた。最近数年間の精神感動、息子《むすこ》の健康状態にたいする絶えざる心配
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