抗しないかとみずから責めた。時とすると、彼に知らせないようにして、ほんとうの献身的な行ないを彼のためにすることもあった。しかし結局のところ天性は彼女自身の力よりも強かった。そのうえ彼女は、クリストフから命令的な様子をされるのを許し得なかった。そして、一、二度、自分の独立を肯定するために、彼の望みに反することをもなした。そのあとで彼女は後悔した。夜になると、彼をもっと楽しくさしてやらないことが心苦しくなった。彼女は実際様子に示すよりもずっと多く彼を愛していた。彼との友誼《ゆうぎ》は自分の生活のもっともよい部分であることを感じていた。ごく性質の異なった二人の者が愛し合うときによく起こるとおり、彼らはいっしょにいないときにもっともよく結ばれていた。実を言えば、たがいによく理解しなかったために二人の運命が別々のものとなったのも、クリストフがすなおに考えているように、その罪は全部クリストフにあるのではなかった。グラチアは昔クリストフをもっとも深く愛していたときでさえ、彼と結婚しただろうか? おそらく自分の一生を彼にささげはしたろう。しかし彼とともに一生暮らすことを承諾したろうか? 彼女は自分の夫
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