。ローマの帝王的|息吹《いぶ》きが彼の上を吹き過ぎたのだった。彼が多少感染してる当時のパリー芸術と同様に、彼は秩序を追い求めていた。しかしワルシャワにおける秩序をではなかった――自分の睡眠を護《まも》ることに残りの精力を使い果たす、あの疲れた反動保守家らとは異なっていた。それら人のよい連中は、サン・サーンスやブラームスに立ちもどるのである――慰安を求めて、あらゆる芸術のブラームスに、主題の堡塁《ほうるい》に、無味乾燥な新古典主義に。彼らは熱情に欠けてると言ってはいけない。諸君とても、すぐに疲憊《ひはい》してしまうではないか。……否、予が説くのは諸君の秩序をではない。予の秩序は諸君のそれと同様のものではない。予の秩序は、自由なる熱情と意志との調和のうちにある秩序である……。クリストフは自分の芸術のうちに、生のもろもろの力の正しい平衡を維持しようとくふうしていた。鳴り響く深淵《しんえん》からほとばしり出させた、あの新しい和音、あの音楽の魔物、それを彼は用いて、明快な交響曲《シンフォニー》を、丸屋根のあるイタリー大寺院のような広い明るい建築を、うち建てようとしていた。
 そういう精神の働きと
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