眼をして、しかもその眼には今にも涙を浮かべそうだった。恋をでもしてるようだった……。自分も音楽が大好きで作曲したい旨を彼はクリストフに打ち明けた。しかしクリストフは少し尋ねてみてから、彼が音楽の要素をさえも知っていないことに気づいた。そしてこんどは学問のことを聞いてみた。小ジャンナンは中学校にはいっていた。そしてあまりりっぱな生徒ではないと快活に自白した。
「君は何がいちばん得意なの? 文学かそれとも理学かね?」
「どれもみなたいてい同じことです。」
「でも、どうして、どうしてだい? 君は怠《なま》け者なのかい。」
 彼は率直に笑って言った。
「たぶんそうでしょう。」
 それから打ち明けて言い添えた。
「だけど、そうでないと自分では知っています。」
 クリストフは笑わずにはいられなかった。
「ではなぜ勉強しないんだい。何にも面白くないのかい。」
「いいえ、なんでも面白いんです。」
「ではどうして?」
「なんでも面白いんですが、時間がありません……。」
「時間がないって? ではいったい何をしてるんだい。」
 彼は漠然《ばくぜん》とした身振りをした。
「いろんなことをしています。音楽をやっ
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