ってた事柄は……。」
「……もう僕には面白くないのだ。僕は疲れてる。人生の外に出てしまったような気がする。何もかも僕には、遠く……遠く思われる。いくら見ても、もう何にもわからない……。時計のような機械的な仕事を、無味乾燥な務めを、新聞紙的な議論を、快楽のつまらない追求を、毎日あかずに繰り返してる人々、ある内閣や書物や役者などに夢中になって賛成したり反対したりしてる人々が、世の中にあるかと考えると……。ああ、僕はひどく老い込んだ気がする。僕はもうだれにたいしても、憎しみも恨みも感じない。何もかも嫌《いや》だ。何にもないという気がする……。物を書けというのか。なんのために書くのだ? だれが理解してくれよう? 僕がこれまで書いていたのも、ただ一人の者のためにだった。僕がこれまで何かであったのは、すべてその一人の者のためにだった……。もう何にもない。僕は疲れてるのだ、クリストフ、疲れてるのだ。僕は眠りたい。」
「じゃあ眠りたまえ。僕が番をしてあげよう。」
しかしオリヴィエはなかなか眠れなかった。ああ、苦しんでる者が、数か月間、苦悶《くもん》が消えて一身が新しくなるまで、まったく別人となるまで
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