、あなたにお返しすることを同意しましょう――至当な補償金を出してくださることができれば。」
「するとも、」とクリストフは言った、「僕自身の身体を売っても。」
 彼はヘヒトが二週間後にもち出してきた条件を、文句なしにすべて承諾した。まったく狂気|沙汰《ざた》ではあったが、彼は初めもらった金高より五倍もの価で、自分の作品全部の版権を買いもどすことにした。五倍というのも誇張ではなかった。なぜなら、ヘヒトがそれらの作品によって得た実際の利益に従って、細密に計算された代価だったから。クリストフはそれを払うことができなかった。ヘヒトの予期したとおりだった。ヘヒトはクリストフを、芸術家としてまた人間として他の青年音楽家のだれよりも高く評価していたので、彼をいじめるつもりではなかった。しかし彼に訓戒を与えたいのだった。彼は自分の権利に属する事柄に人から反抗されるのを許し得なかった。彼があれらの契約規定をこしらえたのではなかった。それは当時の規定だった。それゆえに彼はそれを正当なものだと思っていた。そのうえ彼は、それらの規定は出版者のためになるとともに著者のためにもなるものだと、真面目《まじめ》に信じて
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