いる。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ]クリストフ
[#ここから3字下げ]
ジャンナン夫人へよろしく。
[#ここで字下げ終わり]
「ジャンナン夫人」は、唇《くちびる》をきっと結び、軽侮の微笑を浮かべながら、その手紙を読んだ。そして冷やかに言った。
「ではあの人の忠告にお従いなさいな。あなた自身をお救いなさい。」
しかし、オリヴィエが手を差し出して手紙を取りもどそうとすると、ジャックリーヌはいきなりそれをもみつぶして、下に投げ捨てた。そして大粒の涙が両の眼からほとばしった。オリヴィエは彼女の手をとった。
「どうしたんだい?」と彼はびっくりして尋ねた。
「構わないでください!」と彼女は憤然として叫んだ。
彼女はそこを出て行った。扉《とびら》の敷居の上で彼女は叫んだ。
「得手勝手な人たちだわ!」
クリストフはついに、グラン[#「グラン」に傍点]・ジュールナル[#「ジュールナル」に傍点]新聞の保護者たちを、敵となしてしまった。それは前から容易にわかってることだった。クリストフは、ゲーテが称揚した「無感謝[#「無感謝」に傍点]」という徳を、天から授かっていた。ゲーテは皮肉に
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