明らかにすることは偶然の手に任していた。ただオリヴィエだけは、ある先見と予感とをもってはいたが、自尊心と愛とを汚したくないので、そのことを考えないようにしていた。けれど、意志が黙るときには本能が口をきく。魂の不在中には身体が勝手な道を進む。
ある晩、夕食のあと、いかにも美しい夜だと思われたので――月のない星の輝いた夜だった――彼らは庭を散歩したくなった。オリヴィエとクリストフとは家から出た。ジャックリーヌは肩掛を取りに自分の室へ上がった。それからもう降りて来なかった。クリストフはいつに変わらぬ女の緩漫さを悪口言いながら、彼女を捜しにまた家の中へ引き返した。――(しばらく前から彼は自分で気にもかけずに夫らしい役目をしていた。)――彼は彼女がやって来る足音を聞いた。彼がいる室は雨戸が閉まっていた。何にも見えなかった。
「さあ、いらっしゃいよ、気長奥さん。」とクリストフは快活に叫んだ。「あんまり鏡を見てると、鏡が磨《へ》りますよ。」
彼女は返辞をしなかった。立ち止まっていた。クリストフは彼女が室の中にいるような気がした。しかし彼女は身動きもしなかった。
「どこにいるんです?」と彼は言った
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