ウ》ました。クリストフは立っていって開いた。それは隣の指物《さしもの》屋だった。クリストフの来てることが告訴されたから、逮捕されまいと思うなら出発しなければいけないと、知らせに来てくれたのだった。クリストフは逃げるのを承知しなかった。母を今や永久に休らうべき場所へ送り届けないうちは、そのそばを離れたくなかった。しかしオリヴィエは、汽車に乗ってくれと彼に嘆願し、彼の代わりに忠実に母の見送りをすると誓った。そして無理やりに家から出かけさせた。彼が決心を翻えさないようにと、停車場までついて行った。クリストフはなお我を張って、せめて河《かわ》を見ないうちは出発しないと言った。その河のそばで、彼の幼年時代は過ごされたのであり、その高く鳴り響く反響を、彼の魂は法螺《ほら》貝のように、永久に保有してるのであった。町なかに姿を見せるのは危険ではあったけれど、彼の意志に従って町を通らなければならなかった。二人はライン河の岸に沿って行った。河は力強い平安の様子で、低い両岸の間を流れ、北海の砂浜の中に没しようと急いでいた。大きな鉄橋が霧に包まれながら、巨大な車の車輪の半分のようなその二つの橋弧を、灰色の水の
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