q場の空気がいっぱい満ちていて、朗らかなフルートとオーボエの喜悦や、民謡などを含んでいた。――二人の友はたえず愉快に仕事をした。頬《ほお》の蒼《あお》い痩《や》せぎすのオリヴィエも、力のうちに浸っていた。彼らの屋根裏の室には喜悦の竜巻《たつまき》が吹き過ぎていた……。自分の心と友の心とをもってする創作! 二人の恋人の抱擁も、この親しい二つの魂の和合に比べては、楽しさも熱烈さも劣るであろう。二つの魂はついにすっかり融《と》け合ってしまって、同時に同じ思想の閃《ひら》めきをもつほどになった。あるいはまた、クリストフがある場面の音楽を書いてると、オリヴィエはやがてその言葉を見出していた。クリストフはオリヴィエを自分の否応なしの航路中に引き入れていた。彼の精神はオリヴィエを包み込み、オリヴィエを豊饒《ほうじょう》ならしめていた。
創造の喜びに勝利の愉快さも加わってきた。ヘヒトは思い切ってダヴィデ[#「ダヴィデ」に傍点]を出版したのだった。その総譜は時機に投じて、外国でたちまち名声を博した。ヘヒトの友人でイギリスに住んでいるワグナー派の有名な楽長が、その作品に感激した。彼は多くの音楽会にそれを
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