フ先端に達している。そこまで達した民衆はみな下に身を投じたくてたまらなくなる、危険な場所なのだ。宗教と本能とが君たちのうちでは衰えてしまってる。君たちは知力だけになっている。危《あぶな》い瀬戸ぎわだ。死が来かかっているのだ。」
「死はどの民衆にもやってくる。それはただ世紀の問題だ。」
「君は世紀を馬鹿にするつもりなのか。生全体が時日の問題じゃないか。過ぎ去る各瞬間を抱きしめないで、絶対的なもののうちにはいり込むとは、君たちもよほど馬鹿げた抽象家なんだ。」
「しかたないさ。炎は松明《たいまつ》を燃やし去ってゆく。人は現在と過去とに共に存在することはできないからね、クリストフ。」
「現在に存在しなければいけない。」
「過去にある偉大なものであったということも、りっぱなことだ。」
「それは現在にもなお生きた偉大な人々があってそのことを鑑賞するという条件でこそ、りっぱなのだ。」
「それでも、今日つまらなく生きてる多くの民衆のようであるよりも、死んだギリシャ人であることのほうを、君は好みはしないのか。」
「僕は生きたるクリストフでありたい。」
 オリヴィエは議論するのをやめた。答え返すべきことが
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