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「いやそのことなら、僕はそれほど厭《いや》ではなかった。それにいつでもやっつけてやれた。そのうえ、戦うには兵士どもが必要だ。あちらでは僕は部下の狙撃《そげき》兵をもっていた。しかしこちらでは一人きりです。」
「それでも善良な人に乏しかありません。」
「ではどこにいるんです?」
「どこにでもいます。」
「そんなら、その連中は何をしてるんです?」
「あなたと同様に、何にもしていませんし、しかたがないと言っています。」
「とにかく一人だけでも名ざしてごらんなさい。」
「お望みなら三人ほど名ざしましょうか。しかもあなたと同じ家にですよ。」
 クリストフはヴェールを名ざした――(少佐は声をたてた)――つぎにエルスベルゼ兄弟を名ざした――(少佐は飛び上がった。)
「あのユダヤ人が、あのドレフュース派どもが?」
「ドレフュース派ですって?」とクリストフは言った。「それがどうしたんですか。」
「奴らこそフランスを害したのだ。」
「しかし彼らはあなたと同じくフランスを愛しています。」
「それじゃ狂人だ、有害な狂人だ。」
「敵をも正当に批判してやれないものでしょうか。」
「公然たる武器をもって戦う公正
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