獅フ念をいだいていた。
クリストフは、ヴェール氏に同情を寄せることについては、少佐ほどの理由ももってはいなかった。しかし彼は不正を看過することができなかった。シャブランがヴェール氏を非難するときには、いつも弁護の労をとっていた。
ある日、例によって少佐が種々の事態をののしりだすと、クリストフは言った。
「それはあなたがたのほうが悪いんです。あなたがたはみな隠退しています。フランスで万事が自分の思いどおりにいっていないとなると、ぶっきら棒に職を辞してしまうじゃありませんか。あたかも敗北を宣言するのを名誉とでもしてるがようです。それほど失敗に意気込む者が他にあるでしょうか。あなたは戦争をされたのですが、そんなのが戦いの仕方ですか?」
「何も戦いの問題じゃない。」と少佐は答えた。「フランスと戦う奴があるものですか。君が言うようなその争闘では、口をきいたり議論したり投票したり、多くの無頼漢《ならずもの》と不快な接触をしなければならない。そんなことは僕には不向きです。」
「たいへん厭気《いやけ》がさしていられますね。しかしアフリカでは、あなたはやはり無頼漢らと接していられたじゃありませんか。
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