Rに話をした。しまいに彼はいろんな問いをさえかけるようになり、彼女はそれに答えてはみずからびっくりしていた。彼女は他人にはだれへも言ったことのない事柄をも彼へ話していた。
「それはあなたが私を恐れていないからです。」とクリストフは説明した。「私たちは恋に陥るような危険はありません。恋に陥るにはあまりに親しすぎます。」
「ほんとにあなたはやさしい方ですわ!」と彼女は笑いながら答えた。
彼女の健全な性質は、クリストフの性質と同じく、恋愛的な交わりを、自分の感じにいつも手管を弄《ろう》する曖昧《あいまい》な魂にとっては尊いその感情形式を、忌みきらっていた。二人はたがいに仲のいい間柄だった。
彼女はときどき午後になると、庭のベンチにすわって、膝《ひざ》の上に仕事を置いて、それに手を触れようともしないで、幾時間もじっとしてることがあった。彼はある日またそれを見かけて、何をしてるのか尋ねてみた。彼女は顔を赤らめて、それは幾時間ものことではなく、たまにしばらくの間のことであり、十四、五分間のことであると抗弁し、「話の先をつづけてるのだ」と言った。
――なんの話?
――彼女がみずから語ってる話
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