ォつけた。その声のほうへ進んでいってみると、クリストフはある小さな空地に、子牛のように仰向けにひっくり返っていた。クリストフはモークの姿を見ると、快活に声をかけ、「親愛なモロック」と呼び、相手の身体を穴だらけにしてやったと話した。そして、無理に背飛び遊戯の相手をさせ、向こうにも飛ばせ、また自分が飛ぶときには、ぴしりとその背をひどくたたきつけてやった。モークも他愛なく、下手《へた》ではあるが彼と同じくらいに面白がった。――二人は腕を組み合わして飲食店にもどって来、それから近くの駅で汽車に乗ってパリーへ帰った。
オリヴィエはその出来事を知らなかった。彼はクリストフのやさしい態度に驚かされ、その急な変わり方が腑《ふ》に落ちなかった。翌日になってようやく、クリストフが決闘したことを新聞で知った。クリストフが冒した危険のことを考えると、気持が悪くなるほどだった。彼はその決闘の理由を知りたがった。クリストフは話さなかった。あまりうるさく聞かれて、笑いながら言った。
「君のためにだ。」
オリヴィエはそれ以上一言も聞き出し得なかった。モークが事情を話してくれた。オリヴィエは駭然《がいぜん》として、
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