、に、人の精神に必要であるとの口実をも失ってしまっていた。クリストフは憤慨した。
「機械はうまくいっているのに、なぜ分解するんだ。君はそれをこわしてしまうかもしれない。無駄な骨折りをしたことになるばかりだ。いったい君は何を証明したいのか。つまらないものはつまらないということをか。なあに、そんなことは僕にだってよくわかってる。われわれが戦うのは、四方から空虚が侵入してくるからだ。何も存在しないというのか……。しかしこの僕は存在している。活動の理由がないというのか……。しかしこの僕は活動している。死を好む奴らは、望みどおり死んでゆくがいい。しかしこの僕は生きてるし、生きることを欲するのだ。秤《はかり》の一方の皿《さら》に僕の生命をのせ、他の皿に思想をのせるとすれば……思想なんか鬼に食われてしまえだ!」
 彼はいつもの乱暴さに駆られていたし、議論をしながら人の気を害する言葉を発していた。がそれを言ってしまうとすぐに後悔した。それを取り消したかった。しかしもうあとの祭りだった。オリヴィエはたいへん感じやすかった。すぐに擦《す》りむける皮膚をもっていた。ひどい一言を聞くと、ことに愛してる者からひ
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