「ものだ。」
「ことに愚昧《ぐまい》者ではありたくないものだ。」とオリヴィエは言った。「いちばん古い枝を少しく切り落とすのだと称しながら、すでに病弱なわれわれの文明の幹を痛めたくないものだ。もし不幸にも、ユダヤ人らがヨーロッパから追われるならば、ヨーロッパはそのために知力と活動とが貧しくなって、全然崩壊してしまうかもしれない。ことにわれわれのうちにあっては、フランスの活動力の現今のような状態では、ユダヤ人らを放逐することは、十七世紀における新教徒らの放逐よりも、国民にとっていっそう危険な出血となるかもしれない。――もちろん彼らは現在では、その真価に不相応な地位を占めている。彼らは現今の政治および道徳上の無政府状態に乗じている。生来の趣味からまた好都合なところから、この状態の助長に少なからず力を尽くしている。すぐれた者らはあの敬すべきモークのように、フランスの運命と彼らユダヤ人の夢想とを、不都合にもごく真面目《まじめ》に同一視している。そのユダヤ人の夢想がまた、われわれにとって有益であるよりもむしろ多くは危険だ。しかし、彼らがフランスを自己流にこしらえ上げたがってるからといって、彼らを悪
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