、落ち着かない悩みに沈んで、郵便の来る時間時間を待ちくらした。室から出て行っては、下の門番のところにある郵便箱に希望の一|瞥《べつ》を投げたが、すぐに裏切られてしまうのだった。散歩に出ても何にも眼にははいらず、もどって来ることばかり考えるのだった。そして、最終便の時間が過ぎてしまうとき、室の中の静けさを乱すものは頭の上の鼠《ねずみ》どもの荒々しい足音ばかりとなるとき、彼は編集者らの冷淡さに息づまる心地がした。一言の返事、ただ一言! それだけの恵与をも拒まれるのであろうか? けれども、それを彼に拒んだ者のほうでは、彼をどれだけ苦しめてるかは夢にも知らないでいた。人はそれぞれ自分の姿によって世界をながめるものである。心に生気のない人々は世界を乾燥しきったものと見る。そして彼らは、年若い人々の胸に湧《わ》き立つ期待や希望や苦悶《くもん》のおののきを、ほとんど思ってもみない。もしそれを思いやるとしても、飽満した身体の鈍重な皮肉さで、それを冷淡に批判してしまう。
 がついに作品は発表された。オリヴィエはあまりに待たされたので、もうなんらの喜びをも感じなかった。それは彼にとっては死物だった。それで
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