た。)――沈黙に飢えてるそういう精神|疲憊《ひはい》の状態にあっては、教師の職務は堪えがたくなったのだった。この職業では、虚勢を張り思想を高言しなければならないし、けっして一人きりでいることがないので、それにたいして彼はかつて趣味がもてなかった。中学の教師としては、何かある高尚さをもつために、伝道師的な気質が必要だった。がオリヴィエはそういう気質を少しももたなかった。大学の教師としては、たえず公衆と接触することを余儀なくされた。がオリヴィエのように孤独を愛する魂にとっては、公衆との接触は痛ましいことだった。オリヴィエは二、三度公衆の前で話さなければならなかった。彼はそれについて妙な屈辱を感じた。高い壇の上で見世物となることが嫌《いや》でたまらなかった。彼は聴衆を見物[#「見物」に傍点]し、あたかも触角でするように聴衆を感知し、聴衆の大部分は憂晴《うさば》らしを求めてるだけの無為の徒からなってることを知った。そして公々然と人の慰みになるような役目は、彼の趣味に合わなかった。それからことに、演壇の上から発する言葉は、思想を変形してしまうものである。よほど注意しないとその言葉は、身振りや語調
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