ったから、敵のことを考えるだけで憎悪の念が起こってきた。彼らを見ると、彼らを通してフランスを見ると、かかる純潔と勇ましい詩との花がこの土地から生じたのだとは、想像し得られないほどなのを、彼は最も彼らに許しがたく思った。それでも、かかる花が実際に生じたのだ。またふたたびそれが出て来ないとはだれが言い得よう? 今日のフランスが、シャルル七世のころのフランスより悪かろうはずはない。しかも当時の堕落せる国民からオルレアンの少女が出て来たのだ。今では、寺院は空虚であり、汚されて、半ば荒廃に帰している。それでもよろしい! 神はかつてそこで言葉を発したのだ。
クリストフは、フランスにたいする愛のために、愛し得る一のフランス人を求めたかった。
三月の終わりのころであった。もう数か月以来、クリストフはだれとも話をしなかった。彼が病気であることを少しも知らず、また自分が病気であることをも彼に知らせないでいる、年老いた母親からの短い便《たよ》りを、たまに受け取る以外には、なんらの手紙にも接しなかった。世間との関係はただ、仕事の取りやりのために楽譜商へ行き来することだけだった。そこへ行くにも彼は、ヘヒト
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