子どもたちと中庭で、彼女が母親らしく遊んでるのをよく見かけた。その子どもたちだけに階段で出会うと、彼女は彼らを熱く抱擁することもあった。クリストフは彼女を、知り合いの上《かみ》さんのだれかの地位に置いて想像してみた。彼女は決して馬鹿《ばか》ではなかった。他の上さんたちより醜くもなかった。上さんとなったら彼女の方がまさってるかもしれない、と彼は考えた。だれにも気づかれずに埋もれている、かくも大なる生の力! それに引きかえ、地上をふさぎ、他人の地位と幸福とを奪い、日の光に当たってる、あれら死人同様の者ども!……
 クリストフは疑懼《ぎく》しなかった。彼女にたいしてごく懇切であり、あまりに懇切すぎた。大きな坊《ぼっ》ちゃんとして甘ったれていた。
 シドニーはあるころ、がっかりした様子をしていた。しかし彼は、それを勤労のせいだと思った。ある時などは、話の最中に彼女は突然立ち上がって、仕事を口実にクリストフのところを去った。ついにある日、クリストフが平素よりなおいっそうの信頼を示すと、それからしばらく彼女は来るのを中止した。またやって来た時には、もう遠慮がちにしか口をきかなかった。なんで彼女の気
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