澄んだ眼で言いたがった。
「私あなたを愛しててよ。」
パリー近郊の森の中を散歩する時には、彼女はコレットの影の中を歩み、その足もとにすわり、その前へ駆け出し、邪魔になるような枝を折り取り、泥濘《ぬかるみ》の中に石を置いたりした。ある夕方庭の中で、コレットは寒けを覚えて、彼女にその肩掛をかしてくれと頼むと、彼女は、自分の愛してる人が自分の物を少し身につけてくれ、次にその身体の香《かお》りがこもったままを返してもらえるといううれしさのあまり、思わず喜びの声をたてた――(あとでそれを恥ずかしく思いはしたが)。
彼女に楽しい胸騒ぎを起こさせるものとしては、なおその他に、ひそかに読んでる詩集――(彼女はまだ子どもの書物だけしか許されていなかったので)――のあるページがあった。それからさらに、ある種の音楽があった。皆からは音楽がわかるものかと言われていたし、自分でも何にもわからないと思い込んでいたが、しかしそれでも、感動のあまり顔色を変え汗ばんでいた。そういう時彼女のうちに何が起こってるかは、だれも知らなかった。
その他の点においては、彼女はいつもおとなしい小娘で、うっかりしていて、怠惰で、
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