ならざるを得なかった。ある音楽会の司会者は好奇心を起こして、日曜日の昼興行《マチネー》にその作を採用した。その幸運もクリストフにとっては一つの災難であった。作品は演奏された――そして失敗した。女歌手の味方は皆、無礼な音楽家を懲らしめてやろうと牒《しめ》し合わせていた。残余の聴衆は交響詩に退屈しきって、玄人《くろうと》筋の決議に雷同した。そのうえ運の悪いことには、クリストフは自分の技能を見せるため、ピアノと管弦楽とのための幻想曲《ファンタジヤ》を一つ、その音楽会で聞かせることを不用意にも承諾した。聴衆の不穏な気分は演奏者らをいたわりたい心から、ダヴィデ[#「ダヴィデ」に傍点]実演の間はある程度まで押えられていたが、作者自身と面を合わせる段になると――その演奏もまた大して正確ではなかったが――自由に発露された。クリストフは聴衆席の喧騒《けんそう》に気を腐らし、楽曲の途中で突然中止した。そして、にわかに静まり返った聴衆を不快な様子でながめながら、マルブルーの出征[#「マルブルーの出征」に傍点]をひいた――そして傲然《ごうぜん》と言った。
「諸君にはこれが適当です!」
そこで彼は立ち上がって
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