その話を終わりまで傾聴した。それから、シルヴァン・コーンの腕を離して笑い出した。彼は長い間笑った。笑い絶えてから言った。
「僕は君らがきらいだ。フランス人は皆きらいなんだ。君らにとっては、芸術はなんでもないんだろう。いつでも婦人ばかりが問題だ。一人の舞妓《まいこ》のために、一人の歌妓《かぎ》のために、某氏の情婦のために、あるいは某夫人の贔屓《ひいき》の女のために、歌劇《オペラ》を上演するのだ。君らは淫猥《いんわい》なことをしか頭においていないんだ。だが僕はそのために君らを憎みはしない。君らはそういう人間だ。よかったらそのままでいるがいい。そして泥水《どろみず》の中に餌《えさ》を捜し回りたまえ。しかし僕は別れよう。僕たちはいっしょに暮らせるようにはできていないんだ。さようなら。」
彼はコーンと別れた。そして家に帰ると、作品を撤回する由をルーサンへ書き贈った。もちろん撤回の理由も隠さなかった。
それが、ルーサンおよびその一派との絶縁だった。その結果はただちに現われてきた。諸新聞は上演計画についてある風説を流布《るふ》していたし、作曲家と実演者との葛藤《かっとう》の話は噂《うわさ》の種と
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