」
人間のうちにはいかにヘッダ・ガブラーが多いことだろう! 新しい自由な力を絶滅せんとする、なんという陰険な悪意であることぞ! 沈黙によって、皮肉によって、磨損《まそん》させることによって、落胆させることによって――また、おりよき邪悪な誘惑によって、それらの力を殺さんとする、なんというみごとな手ぎわであることぞ!……
そういう人物はいずれの国にもいる。クリストフはドイツで彼らに出会ったので、彼らのことをよく知っていた。彼はそういう連中にたいしては武装をしていた。彼の防御法は簡単だった。自分の方から先に攻撃していった。彼らが少しでも好意を見せると、すぐに宣戦を布告した。それらの危険な味方はかならず敵となしてしまった。しかしこの率直な策略は、自分の性格を保全するためには最も有効であったとは言え、芸術家としての生涯《しょうがい》を容易ならしむるためには有効でなかった。クリストフはドイツにいた時と同じ方法をまたやり出した。余儀ないことだった。変わった事情はただ一つきりだった。すなわち彼の気分がごく快活になってるのみだった。
彼はだれでも耳を傾ける人には、フランスの芸術家らに関する忌憚《き
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