。彼はこのドイツ人が自分の仲間をあまりに酷評してるのだとは思わなかった。彼自身もクリストフと二人きりになると、彼らを容赦なく批判した。彼はだれよりもよく彼らの愚劣さや策略を知っていた。とは言うものの、彼らの支持を得るために彼らを助けてやらなければならなかった。なおまた、親しい談話のうちでは軽蔑《けいべつ》的な言葉で民衆のことを平気に論じても、一度議政壇上に立つと彼は別人の観があった。頭から出る声を張り上げ、鼻にかかった打ちおろすような厳《おごそ》かな鋭い調子になり、顫音《せんおん》や鈍重な音を出し、羽ばたきのような震えがちの広い大きな身振りをした。彼はまったくムーネー・シュリーの芝居を演じていた。
 ルーサンがいかなる程度まで社会主義を信じているかを、クリストフは解き明かそうと努めた。心底において彼が信じていないことは明らかだった。彼はあまりに懐疑的だった。それでも彼は思想の一部分では信じていた。自分でもそれが一部分にすぎない――(そしておそらく最も重要な部分ではないだろう)――ことをよく知ってはいたが、それでも生活や行為をそれに従って規定していた。なぜならその方が便宜であったから。そ
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