んでいますよ……。」
 社会主義をむしばむ者はリュシアン・レヴィー・クールのみではなかった。社会主義の新聞にはこの種の小文士がいっぱい群がっていた。彼らは|芸術のための芸術《ラール・プール・ラール》の味方であり、贅沢《ぜいたく》を事とする無政府主義者であって、成功へ至り得る道をすべて占領していた。彼らは他人の道をさえぎり、民衆の機関だと言われる新聞に、おのれの頽廃《たいはい》的な享楽主義と生存競争との匂《にお》いを満たしていた。彼らは地位だけで満足しなかった。栄誉までも求めていた。にわか造りの銅像や、石膏《せっこう》細工の天才の前での演説が、これほど多い時代はかつて見られなかった。仲間の偉大なだれかへ周期的に、光栄の居候《いそうろう》どもが饗宴《きょうえん》をささげていた。それも彼の功業が一つ成った機会にではなく、勲章を一つ授けられた機会においてであった、なぜなら、彼らが最も感動するのは勲章だったから。耽美《たんび》主義者、超人、居留外国人、社会主義の大臣、などが皆一致して、あのコルシカの将校が制定したレジオン・ドヌールへの叙勲を祝賀していた。
 ルーサンはクリストフの驚きを面白がった
前へ 次へ
全387ページ中255ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
豊島 与志雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング