て、ひそかに国民の血管中にはいり込んで病毒を伝播《でんぱ》させ、反対者のあらゆる活力を絶滅さしてるのと同じく、反カトリックのこの教会の方でも、秘密結社員らを備えていて、その本部たるグラン・トリアンにおいては、敬虔《けいけん》なる密告者らがフランスの四方から毎日送ってくる秘密通信を、残らず帳簿に書き取っていた。共和政府では、軍隊や大学や国家のあらゆる肢体《したい》を実は脅かしてる、それら乞食《こじき》坊主や理性の狂信者らの密偵を、内々奨励していた。そして、彼らが国家に仕えるふりをしながら、次第に国家に取って代わらんと目ざしてることを、少しも気づかなかったし、また国家が徐々に、パラゲーのジェズイット派のそれとほとんど選ぶところのない、無信仰的な神権政治へ進みつつあることを、少しも気づかなかった。
クリストフはルーサンの家で、それら俗衆的使徒の数名に会った。彼らは皆いずれ劣らぬ拝物教徒であった。当時彼らは、法廷からキリストを追い出したことを歓喜していた。数個の木片を破壊したことで、すでに宗教そのものを破壊したと信じていた。カトリック教徒から奪ってきたジャンヌ・ダルクやその聖母の旗を、独占し
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