ってる収税吏、自由思想家らが自由の名においてこわそうとしてる教会堂を保護せんため、釜《かま》に湯を煮たて手に鎌《かま》をもってる農夫、アルコール地方にたいして反抗した葡萄《ぶどう》酒地方へ話しかけるため、木の上に登っている民衆の贖主《あがないぬし》。ここかしこに無数の群集がいて、拳固《げんこ》を差し出し、怒鳴って真赤《まっか》になっていたが、しまいには本気でなぐり合うのだった。共和政府は民衆に媚《こ》びていた。そして次には、民衆を薙《な》ぎ払わせていた。民衆の方でもまた、民衆の赤子――将校や兵卒――の頭をたたき割っていた。かくてそれぞれ、自分の主旨と拳固《げんこ》とのりっぱなことを、他人に証明してみせていた。そういうありさまを遠くから新聞を通じてながめると、数世紀も逆転したがように思われるのだった。フランスは――この懐疑的なフランスは――熱狂的な民衆であるということを、クリストフは発見した。しかしいかなる意味において熱狂的だかは、知ることができなかった。宗教に味方してかあるいは反対してか? 理性に味方してかあるいは反対してか? 祖国に味方してかあるいは反対してか?――彼らはそれらすべて
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