微妙謹直な精神をもって、娘の自由を取り計らってやるのは」母親たる者の役目である。――「年若な娘らは現今、講演会や友人の家の茶話会などから平気な顔でもどってくるが、それと同じ様子で情人のもとからもどってくる」時代が、やがて来るであろう。
 コレットは笑いながら、こういう教えはきわめてもっともであると断言していた。
 クリストフはそれらのことが大きらいだった。彼はその重大さとそれが流すかもしれない害毒とを、誇張して考えていた。ところがフランス人は、文学を実行するにはあまりに賢い。それら小型のディドロー輩は、大ドゥニーの小銭は、普通の生活においては、大百科辞典の非凡なパニュルジュのように、他の人々と同じく正直でかつ気の小さな市民となっている。彼らは実行においてかく臆病《おくびょう》であるからこそ、でき得る限りの極端にまで実行を(頭の中の実行を)押し進めて喜ぶのである。それは少しも危険のない遊戯である。
 しかしクリストフは、フランス式の享楽者ではなかった。

 コレットを取り巻いてる青年らのうちに、彼女から好まれてるらしい者が一人いた。もちろんこの青年はまた、クリストフにとっては最も堪えがた
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