気取って見せていた。――コレットの客間に集まる連中は、いくらか垢《あか》ぬけがしていた。彼らはことに精神を粉飾《ふんしょく》していた。二、三のモデルをもっていた。しかもそのモデルがすでに本物ではなかった。あるいはまた、彼らは一つの観念をまねていた。力、喜悦、憐憫《れんびん》、連帯責任、社会主義、無政府主義、信仰、自由、などと。それが彼らの役割だった。最も高尚な思想をも文学上の一事となし、人間の魂の最も勇壮な飛躍にも、流行の襟《えり》飾りと同じ役目を帯ばせるだけの才能を、彼らはりっぱにそなえていた。
 しかし彼らの最も得意な世界は、恋愛であった。恋愛は彼らの領有だった。快楽の研究においては彼らの通じないところはなかった。彼らはその手腕に任して、解釈の名誉を得んがために新しい問題までこしらえ出した。そういうことはいつでも、他に能事のない連中の仕事だった。恋をしていないから、せめて「恋を作り出す」のである。そしてことに恋を説き明かすのである。原文はきわめて貧弱なくせに、注釈が馬鹿《ばか》に豊富だった。社会学は最も放縦《ほうしょう》な思想に珍味を与えていた。当時はすべてが社会学の天幕に覆《おお
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