でき上がった一つの長編小説を、さらに抜粋してきたものであった。他の者らの作も、同じような分量だった。二、三の一幕物、二、三の短編、二、三の詩だった。一つの論文で名高くなってる者もいた。「これから作るはずの」書物で有名になってる者もいた。彼らは大きな長い作品をいつも軽蔑《けいべつ》していた。文句中の言葉の布置を極端に重んじているらしかった。それでも、「思想」という言葉が彼らの話にはしばしば出て来た。しかし普通の意味とは異なってるらしかった。文体の些細《ささい》な事柄にその言葉をあてはめていた。とは言え、彼らのうちにも、偉大な思想家や偉大な諷刺《ふうし》家がいた。そういう連中は、物を書く時に、深遠巧妙な言葉を読者が見誤らないようにとイタリックになしていた。
 彼らは皆自己崇拝者であった。それが彼らの有する唯一の崇拝だった。その崇拝を他人にも分かとうとしていた。あいにくなことには、他人も皆それをすでにそなえていた。彼らは話すにも、歩くにも、煙草《たばこ》を吹かすにも、新聞を読むにも、頭や眼を向けるにも、たがいに挨拶《あいさつ》し合うにも、たえず公衆を念頭に置いてやっていた。道化《どうけ》は青
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