を片づけ清潔にするよりは、むしろ腕をこまねいて、自分の仕事を委《ゆだ》ねていた、主人に、当時の神に――普通選挙に。
 実のところ、少し以前から、当時の無政府的無気力さにたいして、反動の気運が起こっていた。ある真面目《まじめ》な人々は公衆の衛生を目的とした戦いを――まだごく微弱なものではあったが――企てていた。しかしクリストフは、自分の周囲にそういう様子を少しも見出さなかった。そのうえ、人は彼らに耳を貸さなかった、もしくは彼らを嘲笑《あざわら》っていた。時々ある強健な芸術家が、一般にもてはやされる芸術の不健全な愚劣さにたいして、反抗の気勢を示すと、その作者らは傲然《ごうぜん》として、公衆が満足してる以上は自分らの方が正当だと答え返した。非難の口をつぐませるにはそれで十分だった。公衆がそう言ったのだ。それは芸術の最上の審判なのだ! そして、公衆を腐敗さした人々のためにする腐敗した公衆の立証は、拒否してかまわないこと、また、芸術家は公衆に命令するためにあるものであって、公衆が芸術家に命令するものではないこと、それにはだれも思い及ばなかった。数――客と収入額との数――にたいする崇拝が、この商売
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