った――快楽の嗜好《しこう》に、思想の極端な放逸さに、破壊的な批評精神に、現われてはしなかった。すべてそれらの特質は、健全でも不健全でもあり得るのであった――場合によっては、実際にそうであった。その中には死の萌芽《ほうが》は少しもなかった。もし死があるとしても、それはそういう力から来たのではなかった。それらの人々の力の使い方から来たのであった。それらの人々の中にあるのであった。――そして彼クリストフもまた、快楽を好んでいた。彼もまた自由気ままを好んでいた。彼はかつて種々意見を率直に述べたために、故郷の小さなドイツの町で不評を買ったことがあった。ところが今では、それらの意見がパリー人らによって唱道されているのを見出し、そしてパリー人らによって唱道されてると、今では嫌悪《けんお》の情を感じた。それにしても意見は同じものだった。しかしながら同じ響きをたててはいなかった。クリストフがいらだって、過去の大家らの軛《くびき》を払いのけた時、パリーの審美眼と道徳とにたいする征途にのぼった時、それは彼にとって、これらの才人らにとってのように一つの遊戯ではなかった、彼は真摯《しんし》だった、恐ろしく真摯
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